方向性が決まったら ~攻める場合③~
前々回は、攻めるときに位置取りが大事なことに触れました。
そして前回は、事業拡大という攻め方についてお話しました。
今回は、攻めと守りのバランスについて考えます。
ほとんどの場合、攻めるときは投資が伴います。
そして投資をするときは、多かれ少なかれ現金が流出します。
一方、守るということは現金の流出を減らそうとすることでした。
(↑「方向性を決める」をご覧ください。)
つまり、攻めるときは守りがお留守になりがちなのです。
強気の投資が仇になって倒産した、という報道を見ることがあります。
流出する現金より流入する現金が少ない状態が続き、資金繰りに窮してしまったのです。
残念ながら、攻めと守りのバランスを欠いたということです。
どうしたら、こうした状況にならずに済むでしょうか。
おそらく、その答えはただ一つ。
適切な事業計画を立てることです。
まず、この投資をすると、いくら現金が流出するかを見積もります。
このとき、対象は初期投資だけではありません。
維持にかかり続ける費用も忘れないでください。
次に、この投資による現金の流入量を試算します。
どのお客様にいつ何が幾らで幾つ売れるか、できるだけ具体的に計画します。
そうしておくと、後に計画と実績を比較でき、対策を立てやすくなります。
そして、初期投資がどのくらいの期間で回収できるかを計算します。
おおざっぱですが、次の式で概算できます。
回収期間(年)=初期投資額÷(現金流入額ー現金流出額) ※初期投資額以外は年あたりとします。 |
できるだけ投資した資産の耐用年数以内に回収しましょう。
そうすれば、少なくとも無計画ゆえの資金不足は回避できます。
今回は、攻めと守りのバランスについてお伝えしました。
次回もお楽しみに。